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2014.06.18 6月号の歌
ひまわり紫陽花梅雨ですねえ。降ったり止んだり。今日は気温は低いようですが、湿って不快感満載です。ほんとに気持ちのよい季節と言うのは短いですね。
最近時間があるのに、全然本が読めません。なんでかなあ~。読もうという気にならない。読み始めても続くかない。何かモードが違う。かといって何かやりたいことがあるわけでもなし。そして何もしなくても時間っていうのは過ぎていくのだなあと実感。


「青南」6月号(第17巻第6号)掲載
◆作品1
人みなの有りやうの如吾もまた歌の出来なくなる時が来ぬ        清水 房雄
寒ければ部屋にて待ての戒めを忘れてこの朝雪は晴れたり        内藤 正泰
心静かになりたる時に窓近き冬木の枝は光りてをりぬ         逸見 喜久雄
二人のみそれでも家族この朝は並木の桜の蕾話して           梅沢 竹子
老いて尚桃の節句を楽しまむ桜餅など買ひにやらしむ          庄司ゑい子
四斗俵担ぎ上げたる日もありき吾が腕節の斯くは衰ふ          松尾 鹿次
遠き日に折れし腓骨のうづく夜をうとうととして真珠売る夢       河合婦美枝
新しき万年筆のためし書きためらはず書くわが名幾たび         尾形 冴子
ガスボンベ担ぎし男庭過ぎる青む冬草踏みしだきつつ          谷河八千代
右左手を伸ばし足る今日の日よ亡き夫の場所に吾は座りて        長弘 文子
雨は霙に霙は雪に変りたり屋根の形がさみしくてならず         海野 美里
◆南山集
ハナニラの花また増えて立ち上がる風おだやかな庭の南に        伊藤 和好
空くうくう空くうくくう何を告ぐしばし息止め鳩はまた鳴く       今泉  操
雪の山とけてあらはれたる枝に紅のほのかやアシビほのかや       堀江 厚一
◆作品2
入院の母にしてやることのなし小さきカステラ口に含ます        丹  亮子
一月の庭に花苗移植せむ積みし堆肥の春の温もり            東倉紀美子
啓蟄の雨はみぞれに冷えまさりしくしく痛む胃を撫でてをり       外園 治子
一時間バスに揺られて通ふ子ら仮の校舎に卒業迎ふ           金  幸枝
洗ひさらして使ふ布きんの手にしたし食器を拭ひ今日も過ぎたり     奥東 富子
◆作品3
懐かしき町は混み合ひ人で満ちはぐれぬやうに夫の手握る        十河 俊子
さびしくてたまらなくなり窓に来て三階より見る下行く人ら       田中 和子
いつもより体軽しと思ふ今日登り坂ある道を選びぬ           西風 諒子
亡き母や夫に詫びたき事がある今夜は毛蟹を食べつつ思ふ        南 美智子
手狭とて子の持ち来るお雛さまゆっくりなされ農の座敷に        宿利はるえ
機上より眼下にひろがる沖縄よ主のみに従ひ生きむと思ふ        田崎久二夫
寒き朝ゼッレにて聴く鳥の声カウカウカウと北へ行くのか        林  秀峰
犬達の通りしあとのつきてゐる所より庭の雪とけてゆく         小湊宜誌子
色あせて歩道橋に残る文字「原子力明るい未来のエネルギー」      佐藤テル子
境内に続く遊び場真先に除染はじまり表土はがさる           菅生 綾子
二尺余の雪の消えたるわが庭の基準値超ゆる放射線量         二階堂ヤイ子
いつのまにかりんごの木伐られ均されて売出されたりイネさんの土地   矢森 妙子
嫁ぐ日に持ちこし道具シンガーミシン油をそそぎ埃を拭ふ        金子喜代子
カトレアをベッドのそばに近付けて九十歳の母を寿ぐ          高橋 瑠璃
八人の僧の読経のはじまりぬ逝きたる兄は花にかこまれ         井上 攝子
亡き夫の遺しし資料のダンボールやっぱり捨てるごめんなさい      小久保基子
細く切り十日かかりて食ひ終る友の釣り来て呉れしたちうを       池田 幸男
ほんのりと桜の梢かすみ来ぬ咲くを待ちをり恙ある身も         池谷 久子
年老いし親を時折訪ねくる息子は口数多くなりたり           浜田 規子
「ラブイズオーバー」かすれた声に唱ふなり始めのあれば終りもありて  小関 辰夫
窓の外の茜に染まる雲一つ消ゆるまで見て灯を点す           紙谷 孝代
母の名も九十二歳の欄にあり特養の壁の長寿番付            平尾 輝子
◆作品4
目を合はせ夫の名優しく呼びながらヘルパーさんはメモをしてゆく    近藤恵美子


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