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2014.09.16 9月号の歌
白彼岸花9月の半ばとなり、急に秋めいてきたようです。日中の数時間を除けばだいぶ凌ぎやすくなりました。
先日、相棒の出張について米子に行ってきました。突然の仕事で車の助手席が空いていたんですねえ。暇なら乗ってく?夜は皆生温泉だよと言われ、何も考えずに乗り込みました。
相棒が仕事中一人で米子の町を歩きました。全く観光客などいないし、そういう町でもないようです。観光地図通りに行っても、観光船もずっと欠航だし、オブジェや古民家等もあるにはあるけど、説明板ひとつないし、入れないし…、商店街は閉まってるし。でも水路があって白壁の家があってお寺がたくさんあって、退屈しない町ではありました。
翌日は久々に日本海を見て、境港まで連れて行ってもらいました。水木しげるロードを歩いて水木しげる記念館に行きました。鬼太郎だらけ、妖怪だらけの、でもとても明るい町でした。歌はさっぱりできませんでした。魚をいっぱい買って帰りました、とさ。
日本海  米子の河童  巨大鬼太郎

「青南」9月号(第17巻第9号)掲載
◆作品1
 分懣のかたまり一つ此処にあり清水房雄といふ名を仮りて        清水 房雄
 午時の休にしばしば歩きけるすずらん通り今日ひとり行く        逸見喜久雄
 朱の薔薇くづほれてゆくかたはらに力みなぎり立つ蕾あり        鈴木 登代
 久しくて晴れし夜空の満月に心安らにわがいねんとす          庄司ゑい子
 朝明けの光ベッドに届き来て妻は笑みつつ話かくるも          能見謙太郎
 水害より十年を経て実の成りしわが庭の枇杷日毎色づく         佐藤 東子
 絶え絶えにやうやく命留めたる都忘れの花の紫             谷河八千代
 梅雨曇り時々雨のきのふ今日玉蜀黍が根づきてそよぐ          長弘 文子
 根つめて励めることもなくなりて窓に満月を見つつ眠らむ        松家 満子
 応へなき看取りは虚し今日も又目で語りあひ別れて帰る         海野 美里
 初生りの莢鮮やかなそら豆が捥ぐ手の中に香りを立つる         山本 靖彦
◆南山集
 晴れながら風吹きやまぬ一日過ぎ母は夕餉の鮭を焼いてる        伊藤 和好
 巣をそこに作るつもりか雀二羽わが家の樋の中に出で入る        今泉  操
 ギシギシとスイバの違ひ聞かれたりよくわからねどこれはギシギシ    監物 昌美
 君の歌読めば懐し蛙鳴く月夜に田の水見回りし頃            髙橋 源良
 終電に間に合うつもり酔ひし目にLEDの信号の赤           竹内 敬子
 酷寒のコウテイペンギンの子育てを観つつ思へりヒトは屑なり      平野 明子
 少しづつ部分のこはれゆく日々の自然のことといへどわがこと      堀江 厚一
◆作品2
 逆上し喘ぐ己を冷やかに見てゐる己がそれ直ぐ其処に          横山 昭夫
 半島の山を覆ひて咲き居りし福寿草絶ゆ採り尽されて          佐藤 昭子
 対岸の土手下斜面の葦中に雉の番が動かずにゐる            横田 時平
 訛にて話しかければ喜びて伸び伸び語る津軽の従兄弟          池田 幸男
 耕しし土をうるほし小山田に注ぐ田植ゑの水は勢ふ           髙橋  博
 春風に濯ぎ物干す喜びを今日は日記に書き止めておく          堤  雅江
◆作品3
 朝の雨霙となりてパンジーの濃き紫の花につもりぬ           石神冨美子
 いつまでもフクシマの放射線量を気にしつつ県民生きてをります     桑原 美代
 胸を張り精一杯に背を伸ばし週一回のダンス教室            星 津矢子
 頂きしメロン仏壇にお供へし四日を待ちて夫と味あふ          鈴木 晃子
 病室に呼ばるる時を待ちながら子規の歌読む七十のわれ         三輪 武士
 そちこちと体の具合悪しくとも留守居は出来ると妻送り出す       新井 久雄
 よろこびて食ふ夫在ればなほさらに楽しく一日を春の野に摘む      鈴木八重子
 草と木の繁るみどりに透き間あり入りてゆきたし蛍とともに       伊東 芳子
 七十七歳生まれて初めて抜歯する夫に付き添ひ医院にをりぬ       西谷 時子
 しっかりと思ひ出を話す夫なれどたちまちベッドに眠りてしまふ    佐々木美智子
 梅雨晴れの澄みたる青き空に映え白を極めて咲く夏椿          中西 武子
 舟を繋ぐ入江はいつか風なぎて家並みの灯りともりゆくなり       中津留初枝
 土に染みし爪を短く今日は切り駅のベンチに長く待ちをり        小関 辰夫
 昼長き夏至の一日何をせし夕べになりて庭畑に出づ           堀田三重子
 庭に咲く紫陽花切りて籠に活け二泊せし子は帰りゆきたり        石川 久恵
 独り居の寂しさ忘れ草抜きし夕べていねいに爪を洗ひぬ         竹田スミコ
 頂きし鉄砲百合は花開き五輪の香り部屋中に満つ            長坂 益子
 梅雨晴れは天の恵みと布団干し座布団を干し窓開け放つ         中谷美智子
 「生きる」とふ本を読み終へ日めくりのカレンダー繰り明日へ向かふ   佐々木容子
 しらじらと障子を通す朝明けの光はやさしわが枕辺に          松下日出夫
 六十九年いまも忘れぬきのこ雲日々に新し深紅に燃えて         荒木 英市
 長生きは罪であらうか曇りたる眼鏡ぬぐひてしばし息つぐ        竹田志げ子
 六月の草木の緑楽しみて夜勤の明けを妻と歩きぬ            堤  恒平
 大掃除なし終へ清めし部屋にゐて心新たに作歌に励む          小島 魚水
 
◆作品4
 うつうつとこもれるうちに家建ちてレースのカーテン窓にかかりぬ    湯地 眞弓
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