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2014.11.17 11月号の歌
大根畑sakoさん秋の和菓子11月もすでに後半です。寒さが足から昇ってきますね。
高松にしばらく居たので更新が遅れました。でもおかげで秋の和菓子をsakoさんに頂きました。ありがとうございます。
実家のそばの大根畑にみっしりと大根が実り冬だなあ、鍋だなあ~と思う私…。
11月号の歌をじっくり読んで参りましょう。


「青南」11月号(第17巻第11号)掲載
◆作品1
 世界平和を希求する今武器の要る国あり武器を造る国あり        清水 房雄
 巣立ちせしばかりと思ふ雀の声わが庭に来て頻りに鳴けり        清水  香
 少年の頃はしばしば争ひき亡き今寂し寂し亡き今            逸見喜久雄
 味噌汁に卵を落とす今朝の飯かくして山の一日はじまる         今福 和子
 目覚めたる夜の闇深く枕辺に強く確かに時きざむ音           鈴木 登代
 暑き日に萎えたるもろもろ夕光に立ち直りゐる草にもの言ふ       梅沢 竹子
 再生といふこと我にもあり得るや蓮花升麻の未だに咲かず        内田 一枝
 打ちまくれボール球でも打ちまくれ見送りなどは絶対するな       前川 昭一        
 リビングの青磁の甕に鈴虫を飼ひ平穏なひとりの暮し          籏野  桂
 石鎚山の稜線わたるゆるやかに霧がわがゆく先を流るる         森田  溥
 基地にせむ辺野古沖なる澄む潮にジュゴンは泳ぐ白く豊かに       尾形 冴子
 侘びしさと多少の不自由棚に上げ独居ベテラン気随気儘に        谷河八千代
 韮あれば韮の匂ひに包まれて夕べひと時土手の草刈る          長弘 文子

◆南山集
 いろいろのこと思ひ出す終戦日雑音多き玉音放送            阿部  功
 校庭の隅なる大樹は何ならむ飛び交ふ見えて巣くふ鳥あり        小林喜代廣
 交流の名残りにあらむさはさはと語り歌ひて仲間睦まじ         瀧本 慶子
 背景はつひに青き空ばかり観覧車は今頂点にゐる            竹内 敬子
 台風の迫れば妻が玄関に鉢並べたりトマトの鉢も            古島 重明
 棟に二羽位置を定めてゐるカラス庭の二人の人間を見て         堀江 厚一

◆作品2
 一日の仕事のタオルたたみ積む明日又同じ今日と同じ          重信 則子
 夕海にサーフボードの少年の波乗りあそぶ帰り給へよ          西本すみ代
 ふる里の生家は跡形もなくなりていよいよすがし父母の思ひ出      奥東 富子
 妻は逝き一人わが行くウォーキング蝉鳴く声も心にしみて        桐山 五一
 台風の接近伝ふる朝よりおしろい花は花をとぢゐる           紙谷 孝代
 スポーツカー並に吹かして出て行きぬ今日も朝から父は畑に       板谷英一郎
 巨大なるビル見上げつつのんびりと歩む私は異邦人なり         丹  亮子
 惜しみつつボールペン一本使ひ切る雨降れば小暗きわが部屋の窓     板橋のり枝
 学あさきわれの頼りし電子辞書このいのちにも限りありたり       二階堂易子
 焼かれたる父のみ骨に混じりゐし弾を拾ひて涙こぼしき         森合 満江
 汗かきの五人のパジャマと部活着と山ほど洗ってぐんぐん乾く      出口 祐子

◆作品3
 ブラインドの紐に目をやり確むる地震かメトロの揺れか目眩か      北見 法子
 まだ死ぬと思ふこと無き九十四われはよたよた庭木に水遣る       石井 園子
 車庫を出る後進警笛しばしして国さん炎天の畑に発ちゆく        倉科 悦男
 けさ夫が水を遣りたる菜園の夕べ乾けばわれが水まく          前島沙江子
 夏の花少なき中のわが庭に高砂ユリの二十数本             広田 吉一
 台風の近付き来ると言ふ夕べ東の空に大き虹立つ            村田 節子
 電子音高々響き六穀の飯炊き上がる終戦記念日             佐々木容子
 鞆の浦の帆柱高き「いろは丸」曾孫おぶって吾は乗り込む        宮本よしみ
 一二三ゆっくり押して一二三ゆっくり戻す指圧習ひき          堤  恒平
 音もなく小雨にぬれゐる庭木なり台風予報の外れし午後を        穴井 文恵
 右の手のわづかに動く指でふれ壁のカレンダーゆらしゐし母       斎藤 康子
 庭土を五センチ削り砂を撒き除染といふ名の禊了へたり         佐藤テル子
 早朝の荒畑に草を刈る音す宵待草が刈られてしまふ          二階堂ヤイ子
 黙々と無心に草を引く先に青く繁りて草原続く             望月とも子
 櫓より調子の弾むばちさばき昨日田圃で見かけしあの人         陳  寒佳
 仄かなる甘き香に朝目ざめたり部屋に一箱の桃の熟れゆく        堀江 周代

◆作品4
 三十五年使ひこなしし飛騨の家具ひとつの傷にもひとつの思ひ出     橋本 攝子
 この家に夫逝きし時吾は見つ海のはたての濃き夕茜           中山 通子

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