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2015.12.12 12月号の歌
サンタがいっぱいメリークリスマス今年最後の月となりました。先月から言ってる割りには全く年賀状の準備もしていない。ただどんどん時間が減っていく…。毎日寒かったり、変に気温が上がったり、大雨だったり大風だったり…。安定しない天候は12月らしくないといえばない…ですね。
まあ元気が一番、風邪などに召さぬように、なんとなーくするりと新しい年を引き寄せたいものです。
青南12月号、巻末の総目録を見ると1年みんなで作り上げたという感じがしてくる。でも、個人的にはあまり貢献してないか、私…。来年はもっと頑張りたいものです。

「青南」12月号(第18巻第12号)掲載
◆作品1
読みし読まざる本の数多を売り払ひ心さばさばと鮨屋に入りぬ      清水 房雄
動かしてくれし椅子より眺めゐる薄雲白く棚引く空を             清水  香
転倒し額は大き瘤となり鏡を見たるわれは驚く                伊藤 安治
高原の雨雲の下飛ぶ鷺の大き二つのかげを見送る             今福 和子
いつまでも夏の夕べの暮れぬ空ひとりの夕餉長く坐れり          鈴木 登代
窓ガラスへだてて車の中と外声なくただに見つめ合ひたり         豊田 純子
道草の穂も枯れいろに変りゆく人より静かな草のなりゆき         梅沢 竹子
シーツ替へ寝巻着換も今日二度目固まりし妻の腕に時かく        能見謙太郎
汝が笑めば吾の心もほころびる汝が喜びはわれの喜び          山本 吉徳
もっと削れもっと削れと繰返し言はれたる日もとほくなりたり        松尾 鹿次
街あかり雨の甲州街道を京王電車が横切りてゆく              戸田 紀子
診療を終へ腰のばす西の窓あの世はあると思ふ夕映え          根本  正
コンクリートの階段下る地下道に木犀の香の流れ入りをり         上山 篤義
紅き石青き石あり谷底の流れに沈む地球の断片               尾形 冴子
皆人の去りて一人となりし部屋白磁の骨壺両の手に抱く          海野 美里

南山集
さむざむと雨の強まるにもあらね帽子を出して深くかぶりぬ         伊藤 和好
昨日今日明日に続く高き空蟻川岳の峰は際立つ               長田 光代
あかつきに虫の音ひびく床の中小さく老いて妻の眠れる           金子 侑司
よくきみと待ち合はせたね店の名はパルケだったかペルケだったか    竹内 敬子
浴槽にて眠ってなんかゐないぞと唄ふ唱歌をとぎれとぎれに        古島 重明
安保法いかに説くとも来る日来る日雷管にはりつきし少年まだ生きてゐる 堀江 厚一
行きてまた今来た道を戻りけり呆けしやうに花も摘まずに           吉沢 真理

作品2
汗の染み黒くなりたる麦わら帽子被りて今朝も畑に出で行く         福本 和夫
小さき手は小さき手の音産土の神に響けり茅の輪くぐりて          井上由美子
公園の桜黄葉は散り始め木陰つくりし枝の透きゆく              山田 和子
うたた寝の夢に会ひたる亡き夫はつば広帽子被りゐたりき          外園 治子
心わづか昂ぶりながらこの部屋に午後は退院の飯を食ひゐる        横山 昭夫
青空に豊かに実る幾百の紅き林檎は海風受けて                石川 香果
いそいそと秋刀魚の刺身をつくる夫ゆふべの厨に大蒜にほふ        丹治 廣子
まだ出来ると思ひて始めしうどん打ち幾年ぶりかおいしくできぬ       細野 幸江
菩提寺に何時の間にやら際立てる白きもまじり咲く彼岸花          伊藤 章子
青く澄む空に立ちたる白雲の光やはらぎ秋は来にけり             西谷 時子
十余年着けることなきモンペ穿く木綿の匂ひ残りてをりぬ           紙谷 孝代

作品3
百歳と二日の先生すいすいと杖を片手に階段昇る               山口 暁子
苦悶消え逝きし横顔清らなる妻よ朝明けの光のなかに            北村  良
暑き午後出かけむとして久々にさす口紅の溶けて折れたり          伊吹 泰子
新型の手押し車が今日届く背筋伸ばして歩みてゆかん            丸山 倫江
十歳は若く見えると誉めたれば父は毎日髭を剃りをり             板谷英一郎
長雨を伴なひながら秋来り洗濯物は三日吊るさる                寺谷 和子
雨つづく裏庭少し耕して秋の野菜の種を落せり                 福田 美蔭
いよいよに昔話に近くなる九十五歳の母と狸と                 村上 良三
萩焼の揃ひの湯飲夫の亡き今も使ひて並べて置きぬ             荻谷 理枝
草萌ゆる小川に追ひしほたる狩り暗渠となりて草の無き川          橋本津多子
うたた寝の夫のつやつや光る脚見つつ湯上がりの髪を乾かす       羽仁 和子
マンゴーを掌にもち思ふ軍事便に甘しと書きし防人の父           森元 輝彦
われもまたインターネットで参加せり安保関連法案反対表明        長坂 益子
少年の網で掬った川海老のしばらく跳ねて魚籠に収まる          亀田美津子
留守の間に豪雨襲ひし裏庭に流れ来し草の堆く積む            東倉紀美子
記憶よりゆるやかなりしふる里の寺の坂道通りて来れば          檜垣 敏子
変な声で鳴いてゐるねと孫の言ふ夜の川よりひびく牛蛙          松下 恭子
地下鉄駅へ帰りゆく我にまだ聞こゆ議事堂前の抗議の声が        河野 政雄
長けし草小暗きまでに茂りをり人住む気配なき家の庭            金沢 宏光
雨の午後昼寝をしたるつかの間にわれすたすたと歩きゐる夢       菅生 綾子
ラベンダーの色香漂ふ湯に浸り眼つむれば広がる富良野          二階堂易子
長男は履き良き靴を買ひくれぬ子どものやうにわれは嬉しき        三輪 武士
記念日をきっと忘れてゐるだらう夫にプレゼントの靴下を買ふ       細矢理恵子
雨に打たれ夏水仙の競ひ咲くけふも尽日母と向き合ふ           藤井 博子
市役所前を過ぎむとしつつ「戦争と静岡」展に足をとめたり         奥東 富子
安保法成立の朝刊仕舞ひ置く今朝の私にできることとし          苫米地和江
バス一本乗り遅れて待つバス停にわが影ひとり長くのびたり        田中 芳子

作品4
ホテル並みの病室をよろこぶ妹は明日三度目の手術を受ける       喜田恵津子

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