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2016.08.27 8月号の歌
リボンの騎士しんせいのうどん8月も終わろうとしています。どうも忙しいらしい…。何かと時間がないようで週末ごとに分刻みで何かを片付けている具合。
今月は歌会も含め2回高松へ。そんな慌しい最中、電車は停まる…が2回、そしてエアコンが壊れ、冷蔵庫が壊れ…。その手当にもずいぶん時間をとられました。毎晩32度から下にならないマンションで、ほったらかしですむものではなく…。それでもどうやら元気です。

「青南」8月号(第十九巻第8号)掲載
◆作品1(作者自選歌欄)より
軍には軍の仕来りが有り癖が有る汁椀一杯の配りやうにも          清水房雄(さいたま)
我のほか見る者の無きホウチャク草犬走りにて咲き散りにけむ         清水  香(豊中)
しろじろと桜の花弁渦巻ける横断歩道を渡りきりたり             逸見喜久雄(東京)
水うまし豆腐うましと富士見野に共に楽しみし時はかへらず          今福 和子(藤沢)
指し示す友のふるさとかすみつつ色さまざまに若葉よろこぶ          堀江 厚一(埼玉)
花すぎし馬鈴薯は土に太りゐむ畑に五月の日のふりそそぐ           梅沢 竹子(東京)
朝食抜きの水の旨かりひと息に飲み終へて待つ尿素検査を           佐々木良一(秋田)
浜辺なる魚市場巡れば捕れたての蛸が鰆が鰓を動かす             能見謙太郎(岡山)
胸熱く読みたる憲法九条も兵たりし日もとほくなりたり            松尾 鹿次(小野)
触るるのみにたはやすく点く灯の下にアララギ読めば寂しくもなし       高木  正(別府)
陽を浴びて登りつめたる首里城に南蛮の風強く吹き上ぐ            前川 昭一(東京)
わが後をつかずはなれず来る猫も落葉かすかに樟の下道            今泉 操(八幡浜)
腰抜けは腰抜けなりに地を這へるうたを作らばたのしかるらむ        伊藤和好(さいたま)
三十年乗りしマイカーの鎮まれる車庫に晴れたる夏の日は照る         塩崎厚吉(相模原)
切られたるあららぎの幹の荒あらと古き年輪のみ新しく            森田  溥(横手)
論は論命は命さもありて重なる世界を歩む被災地                 瀧本慶子(陸前高田)
平気だと言へば平気に見えるからそのやうにして二年を過ごす         竹内 敬子(豊中)
母の日よ植物園へと娘の声正門へのあの欅道歩けるかしら           上柳 盈子(京都)
伝染性なしと聞きにき夫逝きて今日わが肺に小さきくもり           伊藤登久子(碧南)
苗床に玉蜀黍の苗は伸び風のまにまのみどりはやさし             山本 靖彦(周南)

◆作品2(6名の選者による選歌欄)より
花咲くたび鳥鳴くたびに悲しけり喜ぶ母の声は聞えず             吉沢 真理(長野)
春の海ひとり見てゐし弟の広き背中の忘れがたしも         西谷 時子(敦賀)
ドクダミの花が広ごる庭隅は今しばらくはそっとしておく           木村玲子(名古屋)
朝の陽の光眩しとカーテンを引く老いあれば開く老いあり           竹田スミコ(高松)
老い人を乗せ老い人を降ろしつつ旧道をゆく真昼のバスは           井上由美子(愛媛)
足腰の衰へしるくゆるゆるとわたくし流に転ばぬやうに            十河 滋子(東温)
セシウムの検出なしの報告書受くれども誰も食はざるわらび         二階堂ヤイ子(福島)
乾きたる畑うるほす雨のあり農を休みて草餅作る          野口久仁子(埼玉)
蕾もつ薔薇苗求め帰る道混み合ふ電車いくつか見送る             花田 順子(志木)
それぞれに履き慣れし靴を見せ合ひぬ君はプラダの黒き一足          伊東 芳子(東京)

◆作品3(6名の選者による選歌欄)より
明日当り雨の予報に妙義山の花見は今日とバスに登れり            山﨑  修(氷見)
起きしなの在宅検診数値正常高山音頭はなうたとなる             野林 幸彦(高山)
新しき運転免許証手に取りて無事故無違反心に誓ふ              中津留初枝(豊田)
どの角度に手を動かせば痛まぬか起き出す時のしばしの思案          谷口嘉代子(京都)
何処へも行けぬ体と知りつつも服を買ひたり靴も買ひたり           神尾 和子(御所)
うぐひすの声を聞きつつ登り来て木蔭に憩ひ湯冷しを飲む           関口 貞夫(生駒)
ふるさとの無人の家に繁りたる藤づるを切る道のほとりに           村上 良三(岡山)  
土を取り山の崩され谷間の田畑は二時間早く陽当たる             釜野 清信(高松)
母の漕ぐ自転車の荷台に幼持つ鯉のぼり泳ぎ通りゆきたり           中山 輝子(香川)
連休の谷間の今日は登校日ため息つきつつ孫は出かけぬ            西風 諒子(香川)
我が視力聴力共に衰へぬ臆せず最前列の席に座れり               大西 光子(松山)
潮騒の音に消えつつうぐいすの鳴く声を聞く灯台岬亀田美津子(松山)
三軒の家族が集ひ端午の日祝ひくれたり我が誕生日           永田 和子(松山)
快晴の空に飛び立つ飛行機に我は乗りたる幾年ぶりに             藤代幸子(八幡浜)
若者に「うざい」と言はれ辞書引けばなるほど納得「うざい」は有才(うざい) 向井よし子(伊予)
新緑の風心地よしセーターを五枚洗ひて茶箱に仕舞ふ             中村躬枝子(福岡)
歩道までのびて桜は咲き満てり寂しき思ひ振り払ふべし            中山 通子(福岡)
久し振り紙での給与明細を妻と眺めぬ六十七歳              堤 恒平(佐世保)
ベランダに階下の柿の枝が伸び明るきみどり朝ごとに触る           南 美智子(長崎)
ひとひらの雪のごとくに咲きくれし寒菊の花の根分けしてをり        佐々木知津子(秋田)
山畑に肥料撒くべく出で来たり耕起を終へて水蒸気の立つ           佐藤 昭子(男鹿)
晴天の山のいで湯に吹く風は若葉の強き匂ひを放つ              東海林諦顕(秋田)
田起こしの済みし田圃に水入りて蛙鳴きゐる春の夕暮れ            泉 多惠子(米沢)
花かすみ遠く桜の咲く夕べ逝きて恋しき妻なりにけり             大室 外次(南陽)
園庭に飼はれし豚のまろき背に木漏れ日ゆるる若葉が映る           平野 明子(福島)
百一歳の母を祝ふと病院の誕生会に招かれて来ぬ           小出美恵子(高崎)
亡き母の繕ひくれし古き足袋も処分できないものの一つに          伊藤章子(さいたま)
迷惑をかけず逝かむと今日もまた歩み出でたり休み休みに           伊藤 せい(埼玉)
押入れにミンクのコートカヌーのオール一番奥より日本刀出づ        出口祐子(さいたま)
早朝のメールは陸前高田発心に涙涙と夫より              堀江 周代(埼玉)
里山に丈高く立つえごの木の花散る道をくだりてゆけり            小久保基子(東京)
妻の出す青汁飲みて杖突かず歩ける散歩路考へて居る             横田時平(八王子)
おだやかな晴れの日三日枝豆も胡瓜もポットに芽ぐみて来たり         三橋 梅子(横浜)
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