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2014.02.15 1月号の歌
降ってますこの冬は寒いですね。大阪では雪が降ること自体珍しいのに、先週末に続きまた雪が積もりました。
まあ北国の人に笑われそうなくらいの積もり方ですが、界隈では大ごとでした。雪がないことの方に慣れてしまって道にも町にも備えがないのですね。
大阪に雪さて、わけあってやめていた「青南」の短歌の再録をまたはじめようと思います。
いつやめたのかも忘れるくらい前のことで、たぶん諸事情は変わっているんじゃないかと…。青風でも大分青南でも掲載を続けてきたことなので、もういいのかなと思います。
まずは歌誌「青南」2014.1月号より、私の好きな歌を紹介します。

「青南」一月号(第十七巻第一号)掲載
作品1
 山吹も藤もさかりの花の色今年かぎりかと眺めてゐたり    清水 房雄
 鋲で止めしルオーをさながらに狙いひし如く光さし込む    清水  香
 誰もかれもゐなくなりたりやうやくに秋の風吹く窓辺にしばし 鈴木 登代
 仏前に妻の遺骨を供へつつその微笑みに語る我と子      山口 久雄
 腰おろす膝に日差しの暖かく緑の表紙の本を開きぬ      戸田 紀子
 宮城野に一番丁にきらきらとこぼれみばかりにポエムはあるぞ 根本  正
 乾きたる団栗踏めば乾きたる音して茂吉の歌碑をめぐりぬ   森田  溥
 花束の花の命はそれぞれに残りしひとつ竜胆の藍       谷河八千代
 仏飯を供ふ朝々東窓に日々ときめきて比叡を望む       上柳 盈子
 長き竿をしきりに振りて鮎釣りの位置を変へつつ吾に近づく  松家 満子

南山集
 それとなく魂集ふ雰囲気を覚えて歩む靖国の庭        今泉  操
 通ひたる平塚駅を通過する逝きて四年はまたたく間なり    長田 光枝
 俺はまだ七十六歳こんな分厚い座布団に坐る心地になれず   監物 昌美

作品2
 夫の印使ひて済ます用あればわれを守りていま在るごとし   嶋 富佐子
 ベランダの椿の影のくっきりと畳に差す日深くなりきぬ    奥東 富子
 夢ひとつ胸に抱ける秋の朝空の高処を鳥渡りゆく       佐々木容子
 元寇防塁跡へと君等遠ざかる木洩日暑き松の林を       福島 五月
 仙石原のススキの穂群見のかぎり風吹けば風の道になびきて  石井 久江

作品3
 朝々の此の門前に黒塗りのハイヤー二台たれ待ちゐるや    北見 法子
 二時間に一回のバス停さがしつつ人の通らぬ道を歩めり    塚本佳代子
 灯のもとに今宵ゆっくり語らへば娘といふはまこと優しき   大塚 道子 
 自らの影長くひく砂浜に踏む足跡の残されてゆく       高橋あや子
 蒼き富士かなたに見えて孫ふたり組立体操きびきび動く    前島沙江子
 椅子に寄り足くむ母のくせ思ふ秋日さす窓ホームの部屋の   平尾 輝子
 歯切れよき音とはならぬわが足の爪硬くなり切りがたくゐる  羽仁 和子
 バス停の駅名表示知らぬ間にローマ字表記の追加されたり   釜野 清信
 浮雲に秋の気配のある空を舞ふ鳶一つ遠き鉦の音       山口  悠
 風を読み日を読み海の機嫌見て曳く網繕ふ老いたる漁師    井上由美子
 み空よりこぼれむばかりの望の月思はずしばし両手を合はす  竹田志げ子
 勤めより帰りくる子は朱き実のアケビ一房ぶら下げてくる   梅木日出子
 台風の去りて事なき朝の庭わが目に新し石蕗の花       宿利はるえ
 津波後の荒れたる浜に発芽せし松の幼木草分け探す      石川 香果
 家中をクルクルワイパーで拭きてゆく車椅子にて方向変へて  鈴木 榮子
 半年を事なく過ぎて残る日の幸を祈りて茅の輪をくぐる    夏苅 敏江
 掌に食後の錠剤を転ばせて七つの数と色を確かむ       槇山 綾子
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