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2015.02.22 2月号の歌
東福寺龍吟庵久しぶりに勤め始めたら、前より忙しく全く時間がなくなってきましたが、何とか日々をやりくりしてます。3月が一番忙しい会社らしいのでこれからどうなるのだろうと思いますが、仕事があるのが楽しいと言う新鮮な感覚です。
イノシシ手水写真は1月の終りに行った京都の東福寺の龍吟庵の石庭、そして祇園街にある建仁寺内の摩利支尊天堂の猪の手水。摩利支尊天は、開運・勝利にご利益のあるインドの神様で、イノシシに乗って現れるとか。猪は自分の干支でもあり、この猪を撫でた直後に仕事が決まったので、ご利益があったのか…。でもその夜は学生時代の友人の僧籍の二人と呑んだので、彼らが福の神だったんじゃないのって友人に言われて、なるほどねと、いやあ神じゃなくてお坊さんですけどね…。
2月号の歌、今月もいい歌がたくさんあります。

「青南」2月号(第18巻第2号)掲載
◆作品1
塩味の飴一袋買ひ帰る少しは力づくかとも思ひて            清水 房雄
鳩の声をだからちゅうちゅうと聞き做して臥床に低く声に出しゐき    清水  香
なぜそんなに苦しむのかといふ声す所詮はかなきわがくりや歌      今福 和子
午前五時ホテル駐車場に市立てりつまみ見てゆくスルメ烏賊白桃     佐々木良一
いただきは雲に隠らふ紀伊の山勝浦の出湯に浸りて仰ぐ         能見謙太郎
波皺の寄る大間の海町長は早く原発来て欲しと言ふ           戸田 紀子
苛酷なりし作業を餓ゑを切々と記せるノート読み返すなき        籏野  桂
売薬の新聞広告に騙されて後悔しつつまた依頼しぬ           塩崎 厚吉
抑へ得ぬ思ひを酔ひて連ねたり醒めて空しき乱筆を見る         上山 篤義
熱き湯に青菜を放つ一瞬を何の迷ひか泡立つこころ           佐藤 直子
逃げ場なき思ひは若き頃よりか垣山沈めて霧降る峡に          尾形 冴子
麻酔利き手術のことは覚えなく一夜明けたり命なりけり         谷河八千代
久しぶりの姉妹の会話の早口を吾は聞きゐる蟹ほぐしつつ        上柳 盈子
忙しく立働きてゐし日々をつぶさに見たる明け方の夢          海野 美里
清らかな野菊の花を瓶に見て寒き朝の机に座る             山本 靖彦

◆南山集
遊牧民の出といふだけで何となく応援してる勝て逸ノ城         伊藤 和好
手術台の鋭き光を凝視するあと十年をあと十年をと           長田 光枝
歩道橋の階のぼるに身はおとろへ空を仰ぎて帰り来りぬ         金子 侑司
残し置きしものらは如何になりつらむピアノパソコンアンプなどなど   小林喜代廣
一日をただ読み厨のドアを開くお玉杓子に当たる西の陽         竹内 敬子
仏の座白詰草の咲き残る霜月の畑日の当たる畑             平野 明子
できるだけ我慢をしろと言ひし父土間に並びて藁打ちながら       古島 重明
繕ひし樋のあつむる水音のこころたのしくして今日の雨         堀江 厚一

◆作品2
また一人友の訃を聞く語りあう事まだ多く残りしものを         丸山 倫江
空も地もひとつ色なる霧のなかライトをつけし車が行きぬ        井上 保代
真夜中を明るく照らす長き廊下果ては真暗き深淵の空          小川 英記
日を置きて巡れば狭き庭の石につめれんげの花つはぶきの花       難波 澄子
玉葱の小さき苗を畝高く植ゑて雨降る前を安堵す            大本 栄子
澄みわたる海色の空百万の鰯の雲は南をむきて             竹田志げ子
帰り来て煮つつ厨に日記書く今日は静かに授業を終へしと        出口 祐子
行くあても訪ひくる人もなき雨の日の朝己がために紅さす        大塚 道子
上になり下になりして泳ぐ鯉古刹の池の秋のみづおと          安達 正博

◆作品3
寒波来し今朝の冷たさに靴下を重ね履きして町歩みをり         畑 佐知子
文化の日耳に優しきぶんかのひ夫は仕事に今朝も出でゆく        平尾 輝子
すべて過去になりゆく家よ一冊の写真となりて手元に残る        竹田スミコ
大根や豌豆菊菜はうれん草すべて芽を出し間引きて食べる        長坂 益子
庭の剪定終へにし木々の清々し千両色づき山茶花咲けり         中村 久子
駅前に千の自転車犇めきてはぐれ蜻蛉が夕の日に消ゆ          井上由美子
九十二の母の祝ひの朝にして初冬の雨はただ静かなり          佐々木容子
足腰の痛まぬ日には外に出て家の周りの雑草を取る           森 フサヱ
窓際に椅子寄せ眺む屋根超えて高く咲きたる皇帝ダリアを        有明てるみ
苦しみの短く逝きしわが夫よわれには悔いの深く残れり         桑原 美代
山蕗も茗荷も除染に引きぬかれ春の楽しみうばはれてゆく        矢森 妙子
陽のあたる面から黄色く熟れてゆくレモンは数多枝をたわめて      伊藤 章子
二十五日前の笑顔が美しい帽子被りて車椅子にて            伊東 芳子
群生ふるがんこうらんに寝転びて青空仰ぐ古里いいな          池田 幸男
甘いトマト酸っぱいトマトこもごもに娘はわが食に心をくだく      石井 園子
電話にてしばらく話す妹の声のいつしか元気になりぬ          奥東 富子
庭隅の餅菜にしばし屈まりて今朝は青虫二匹捕りたり          石橋 光子
夫は二粒われは三粒の薬のむ気付きし方が水汲みて来て         角谷 明子

◆作品4
手伝ふと畝立てくるる夫のゐてわれは白菜の苗植ゑてゆく        告 紀代子
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