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2015.10.14 10月号の歌
ハロウィーン10月、それももう半ば。先週末は東京で青南の特別歌会があり2泊3日の上京でした。
このときとばかりに東京国立近代美術館で藤田嗣治コレクションを鑑賞。一度大作の戦争画を見てみたかったのですが、想像外の激しいもので驚き、また東山魁夷や岸田劉生や靉光などの作品を見ることもでき、満足以上の時間でした。
美術館へは東京駅から皇居のお堀端を歩いて行ってみました。そして美術館からホテルのある御茶ノ水まで神保町を通っていけるというのもわかり、楽しみながら東京の地理を堪能。いつもは迷うのが怖くて地下鉄ばかりだったけど、案外行けました、歩いてみるもんですね。(街角のハロウィーンのデザインを見たり…。)朝はtokoさんに東大の三四郎池に連れて行って頂いた。池周りが上がり下がりの段差のある道で、小説とは違う雰囲気。体感しなくちゃわからんことがあるもんだと、面白かったです。

「青南」10(第18巻第10号)掲載
◆作品1
歌詠むを生涯の大事と思ひゐし此の錯覚の何ゆゑならむ         清水 房雄
時々に机の上にのぼりくる小さな蜘蛛は少し太れり           清水  香
その前の時代を知れば戦はぬままに過ぎゆくことを願へり        伊藤 安治
丸々と太りパセリを喰ひつくし今朝青虫の行方知らずも         今福 和子
沖縄は世論が歪んでゐるなどと言ってる我らが歪んでるんです      山本 吉徳
瀟洒なる三階建の塀に寄せ小さな祠あり何を祀れる           佐藤 東子
ここからは各駅停車になりにけりさらば伊勢路を楽しみて行かん     前川 昭一
転がり出でし鉛筆一本勤めゐし頃の社名の刻まれてゐつ         戸田 紀子
子育てと同じだなあ隠元のつかまり損ねし蔓なほしやる         根本  正
大阿蘇の思ひ出遠く草千里広々とせる大地に立ちき           谷河八千代
薔薇園の花の高さに押されゆくはじめて園に乗る車椅子         上柳 盈子
苗を立て薬をかけて育てゆくこの黒豆は新年のため           山本 靖彦

◆南山集    
午前五時明けそむる空を鳥はゆくひとつ行き二つゆき三つは行かずも   小林喜代廣 
山手線見えなくなりて日傘差す御婦人一人坂のぼりくる         伊藤 和好
もはや咲く力なきかと見えしまま梔子枝に白く花立つ          瀧本 慶子 
なるやうになるとのみいひ鉛筆の削り屑捨つ確かに木の香        竹内 敬子
どこからか祭り太鼓の音すれば我はいつでも飛び出す構へ        谷生美砂子
五種類の薬のむなりどこに如何効くか知らねど朝のつとめに       古島 重明
手を添へて花びら開きたれば咲きマンデビラにほふ白きひと花      堀江 厚一

◆作品2
ほととぎす天辺かけたかと人の言ふ我は包丁(ほつちょう)欠けたかと聞く 平野しづえ
三日前の作業一々思ひ出しくり返し探す小さき箆を           角谷 明子
羽失せて姿留めず押入れの奥に見つけし明治神宮守護矢         平尾 輝子
籠りゐる部屋より眺む台風の去りたる街に朝の陽の射す         竹田スミコ
ひつじ草水面に光るはつ夏の我の心を風渡りゆく            佐々木容子
ギッコラギッコラ畠に通ふ道遠しわれも自転車も古りてしまひぬ    佐々木知津子
山深く筒鳥のなく声聞けばここにわれありと思ふ心よ          三輪 武士

◆作品3
炊き立ての飯に玉子を割る音にありがたうの聞こゆる暮らし       西谷 時子
おしゃれして颯爽と来し妹は桜ん坊置き帰りゆきたり          前島沙江子
川に沿ひ日々歩きゐる歩くこと歩けることはすばらしきこと       桐山 五一
家島の古き町並道細く角を曲がれば猫の寄り来る            中津留初枝
今一度ホトトギスの声聞きたしとラッキョウ洗ふ手を止めて待つ     紙谷 孝代
大雨に増水したる野の井戸に孫と入れたる鯉泳ぐ見ゆ          荻谷 理枝
窓近き山茶花の木に連立ちし雀見えしは束の間のこと          三枝 笑子
ポップコーン屋になりたいと言ふ幼子の願ふ短冊高みに結ぶ       八田 順子
駐車場になると決まりし友の田に熟れ過ぎて黒く麦は立ちをり      髙橋  博
ゆっくりとバスに乗る人降りる人誰もが母に見ゆるたそがれ       堤  雅江
淡き青の修衣を纏ひシスターが梅雨の雨降る教会に入る         榎園 隆子
それぞれの思ひを胸に夕凪の海に沈みゆく赤き日見つむ         泉 多惠子
行く汽車を点となるまで見送りき君にその後会ひしことなく       大室 外次
夢に来る夫の優しき笑顔あり出かける仕草のこしてゆきぬ        菅生 綾子
幼虫が大中小とふとりつつ庭の酢橘の葉を喰ひあらす          富田 陽子
潮香る心地良き風頬に受け船に乗り行く友を見送る           細矢理恵子
幼き日を時折想ふ一こまの鉛色した一面の空              重信 則子

◆作品4
古希だけどわれに歌あり短歌あり書道もありて晴れ女なり        橋本 攝子
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