上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2016.03.12 3月号の歌
ガマズミ 山茱萸 白木蓮
3月となりました。3月さらないで~っとはや、思う月初めです。
仕事って楽しかったんだ、という感じのこの頃。余りに時間が早く過ぎ、あっというまに一日が終わります。ま、ただ単に慣れない仕事に自分の手が追いついてないからに過ぎませんが…。
仕事がタイトになると週末にいろんなことを片付けることになります。家事と原稿に追われる…。締切続きで毎週末パソコン前。でも今はどの対象も綴ることが楽しいです。心理学的にも一度締切ぎりぎりで仕上げた達成感がある限り、そこにある種の快感を感じ時間があってもやらずに結局なべてぎりぎりにすることになる…タイプの人らしいです、あ・た・し。来月からはまた三カ月連載がふたつ時間差ではじまる、大丈夫なのか…。

「青南」3月号(第十九巻第3号)掲載
◆作品1(作者自選歌欄)より
百歳となりし己は何者かさう考ふる事もまれまれ            清水 房雄
無風にて庭の木の葉の黙りこむかかる日もあると思ひてゐたり      清水  香
ツクバネウツギ即ちあべりあの白く咲く片方を歩む静かに吾は      逸見喜久雄 
毛布一枚重ねむとして怠れば野宿の寒き夢に目ざめぬ          今福 和子
品のなきハクセキレイと見てゐしが後先になり畑を去りゆく       堀江 厚一
テレビの映像消したるあとのしづまりに明日へと続くわが息をきく    梅沢 竹子
高松に行きしは五月のころにして又行きたしと思ひつつ寝る       内田 一枝
太平山荘すぎて山地は秋田領草のいろ褪せ岩くろく立つ         佐々木良一
不定期の買物バスにて町へ行く大根抱へ妻帰りきぬ           山本 吉徳
へうへうと送電線が風に鳴りダムをめぐりて山は暮れゆく        松尾 鹿次
幼子を二人すばやく自転車に乗せて娘の出掛けてゆきぬ         伊藤 和好
応召とは天皇に召されることなりしわが兄二人召されて帰らず      副島 浩史
日毎むかふ垣山にして疎ましくまた親しくもけふは雪降る        尾形 冴子
白式部栄えて紫式部失す美しきものは命短し              三輪 昭園
過ぎ行ける人を眺めてゐるつもり窓際の席に減りゆく時間        竹内 敬子
蓬摘みて遠く来りし山畑に獣の気配して道かけ下る           松家 満子
晩節になほ恙なき暮しありひとりの糧の買ひ出しにゆく         鈴木  功

◆作品2(6名の選者による選歌欄)より
あと二十日生きて新しき年むかへむと老のからだにラジオ体さう     竹田志げ子
髪切りて若くなったと人の言ふ吾が百歳を忘れてしまふ         吉田 寿美
体温計を脇に挟みて見詰めゐる壁の時計の五分は長し          横山 昭夫
ほろほろと南天の実がこぼれ落つ離れの沓脱ぎ石のあたりに       斎藤 康子
秋の日のかげりの早き山の田に小さぎ降りたつ季節となりぬ       石田 孝子
通勤に挨拶交はすガードマン今朝より赤きマフラー付けて        出口 祐子
読みかけの本を片手に窓に寄る雨の降り出で暗みゆく部屋        藤井 博子 
川鵜等に追はれ浅瀬に来る鮎を次々と食む小鷺青鷺           横田 時平
法被着る老いし男らの焚く大根よそひくるるも皆男なり         髙橋あや子
ねんごろに仲買人らをもてなして冬季のしめぢの販路依頼す       倉科 悦男
三時間断水するとふ手近なる鍋にバケツに水汲みて置く         前田つる子
馴染みたる歌会やむなく去りゆくも残れる者も共にさびしく       伊吹 泰子
惨たらしきニュース細やかに報じられ私は見たくも聞きたくもない    丸山 倫江
夫の腕抱きて上る姫路城つづく石道時間をかけて            羽仁 和子
作物の予定なければ耕さぬ畝にいつしか草も生えたり          福本 和夫
子に米を送る程良きりんご箱スーパーより夫の持ち帰り来ぬ       池本 捷子

◆作品3(6名の選者による選歌欄)より
我一人を乗せて音なくのぼりゆくエレベーターの虚しき広さ       井上由美子
収穫を終えた刈田で藁を焼く煙は這いて人影を呑む           亀田美津子
目覚めればほのかに障子あかるくて予定なき日の幸せなとき       宮﨑 越子
豊かなるパンパグラスの穂の揺れて栗名月を斜めに見上ぐ        向井よし子
さてけふの夕餉は何と炬燵に座る夫ありて過ぎ来ぬ五十幾年       福島 五月
刈り取りの終へし田圃に黒きシャツの案山子が畦に寝かされてゐる    堤  雅江
足病めどまだまだ畑は打てるぞとツタンカーメンの種を播きたり     荒木 英市
妻の足背を揉み三年近頃は頭も揉みて技量上がりぬ           堤  恒平
来年のことには触れず裏畑の仕事仕舞ひに黒豆ちぎる          宿利はるえ
遠くまで治療に通ふ朝の道明けの星一つひかり輝く           石川 香果
冬陽さす窓辺明るくぬくもりて水栽培の蕾勢ふ             伊勢喜佐子
荒あらと伸びたる茎に薹立ちてま白き人参の花の開きぬ        佐々木知津子
終に終に好きになれない人のあり三千ページの小説の中         渡辺  涓
ほそほそと鳴くコホロギを聞きながらわれは湯船に目を閉ぢてゐる    小濱 靖子
玄関を開くればふかき靄のなか臙脂の寒菊しづまりて見ゆ        佐藤テル子
山茶花の花びら集めゐるときに風吹きゆけり霧を乱して         矢森 妙子
わが叔母の作りくれたる半纏の裏地の接ぎも親しみて着る        大墳 淑子
烏瓜の赤き実二つ裏庭にころがりてをり嬉しく拾ふ           松田 玲子
ひたむきな願ひに意志の通ふらしこの会ありてわれも励みぬ       三輪 武士
今年こそ会ひたいですね一昨年も去年も賀状にひと言添へる       伊藤 章子
早番の子を送り出し未だ六時大根と鮭煮るとろ火にかけて      故 岡野 紀美
せせらぎをテープで流しゐるビルのロビーに長く人待ちてをり      花田 順子
雨止みて水平線の彼方から空を横切り虹のかかりぬ           細矢理恵子
玄関に夫より大きな靴脱ぎて幼顔せる孫の来にけり           伊東 芳子
肺癌を病みてすでに半年なり髪を染めよう明日はクリスマスイブ     塚本佳世子
どうみても爺さんだよと妻言へど構はずさらに石段のぼる        古島 重明
夕映に鳥は染まらず黒々と群をなしつつ遠く去りゆく          大塚 道子
その昔戦争といふ惨ありて君等も僕も生きてゐる不思議         黒部 一夫
ぽたぽたと涙は落ちる鎌の柄に燃ゆる紅葉の目に痛きまで        吉沢 真理
鰊寿し喜ぶ弟亡けれども心励ましひと桶漬けぬ             西谷 時子
二時間に列車一本の時刻表小さき木造駅舎の壁に            苫米地和江
年金を振込みてゐる銀行よりささやかですがと数の子届く        中津留初枝
父親の奥の金歯の一本を片身に今も御守りに持つ            藤原 清次
改装せし部屋の欄間に吾が画きし向日葵の絵を掛け直したり       今川 茂子
障子紙の張替勧むる広告紙貼れなくなる日のために取り置く       如月 生子
古里は竹の里とふ遍路道道の両側竹生ひ繁る              十河 俊子
不細工なわが家の蜜柑味がよく夫と二人でたっぷりと食ふ        西風 諒子
一歩一歩転ばぬやうに踏みしめて廊下を歩むお風呂に入る        細川 房代
Secret

TrackBackURL
→http://utakoya.blog47.fc2.com/tb.php/324-0bab0258
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。