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2016.05.08 5月号の歌
瀬戸内讃岐ことば5月です。連休の終りです。とはいえ、私はカレンダー通りの出勤で、三日休んで一日行って、三日休んで一日行って、今日は普通の週末の感じです。高松にも慌しく帰って、庵治にできた竜王山公園に行きました。超強風の日でしたが、絶景でした。
琴電の方言ポスターが相変わらずいい感じでした。「わっせていんにょるで」平仮名にするとすごいなあ(忘れて帰ってますよ)。今の子供も普通に使うのかなあ~。判らない人には外国語だよね。

「青南」5月号(第十九巻第5号)掲載
◆作品1(作者自選歌欄)より
道角の銀杏大樹が目あてにて其処より坂を登りゆきたり        清水 房雄
部屋深く冬の光はさし入りて呆然とゐる我を照らせり         清水  香   
値を書きし部分破りて一棹の穴子の鮨をわれにくれたり        伊藤 安治
カレンダー見つめてをりて安らげりあと一週間あるではないか     逸見喜久雄
人ひとりなき家具売場巡りくればよき机ありひととき坐る       今福 和子
われはただ寂しただ寂し然れども緊急ボタン枕辺にあり        堀江 厚一
大凶を束ねし如きわれの生にひとつ混じれる大吉は妻         山本 吉徳
口元から緑の豆がこぼれ出る春の朝の温かきご飯           戸田 紀子
日脚やや伸びしと思ふ方形の窓に透きつつ青き夕光          根本  正
わが腕の時計も今は使ひ捨てドラッグストアで又一つ買ふ       副島 浩史
五十余年添ひゐる妻の言葉にも耳に手を当てて聞く日々となる     上山 篤義
食材を求めにきたり一人居に多き人参過ち買ひぬ           三輪 昭園
蒼雲はやがて黒雲従へて空を埋めゆく裸丘の夜明け          瀧本 慶子
十三夜の月の綺麗な夜でしたきみは身罷りそののちの雪        竹内 敬子
硝子戸に埃のいたく目に立ちて水屋あまねく冬茜色          鈴木  功
南向き冬日あまねくさす椅子にあなたはをらず膝暖かし        海野 美里
一列に浮ぶ鷗に昭和の子わたしは唱ふカモメの水兵さん        嶋 富佐子
腰痛に刈る気力失せ草刈機藪に投げ出し考へてゐる          山本 靖彦

◆作品2(6名の選者による選歌欄)より
好物の毛蟹だけれど大きいな娘の驕りかたまにはいいね        横山 昭夫
千年の年手繰り寄せ万葉人と歌など詠みて生きたかりけり       佐々木知津子
吾も亦その中の一人がん患者の十年生存率五十八パーセント      森合 満江
九十五歳を自ら祝ひて歌集編む一所懸命作り来し歌          山﨑 久子
聴力のいよよ落ち来て筆談の多くなりたる吾が家しづけし       堀江 周代
去年病みて如何になるやと思ひゐし我にも春は訪れて来ぬ       塚本佳世子
待ちをりし鉢の椿の今朝一輪赤き花びらに白きふちどり        藤井 博子
自づから歩み怠る老の足おもきを励まし杖持ち直す          堀田三重子
チューリップの青芽いくつか覗きたる畑に寒々風吹き渡る       藤原 弘子
何為すも大儀となりて昼時は苦き富山の置薬飲む           竹田スミコ
きさらぎの今日より後期高齢者真新しき保険証届く          井上由美子
一晩で降りたる雪は十二センチ誰も通らぬ道の尊し          堤  雅江
美容院に髪カットして籠もり居の少し変化し二月に入りぬ       宿利はるえ

◆作品3(6名の選者による選歌欄)より
雪あかり白き灯籠並びをり数かぞへつつ昼の街過ぐ          石川 香果
朝練の子等口々に挨拶す白き吐息と大きなる声            内川 香子
厳冬の海に出でむと七十の夫黙々と長靴を履く            前川 和子
震災の海より戻りし腕時計カバンの底に時を留めをり         吉田 京子
西側の窓の凍りの解け切れぬままに冬の日早も暮れ初む        渡辺  涓
穏やかに差しくる朝の春の日に空の彼方の妻の名を呼ぶ        大室 外次
臓器提供にためらふなく我が名書きしばらく心悲しみ包む       小濱 靖子
国道を静かに車流れゆく原発事故などなかったやうに         佐藤テル子
友と二人歌会の話続きゐてなじみの店でコーヒーを飲む        菅生 綾子
平穏に昏れしひと日よありがたう吾妻嶺見ゆるカーテンを引く     星 津矢子
雨の音いつしか消えて雪になり静かに閑かに夜の更けてゆく      小出美恵子 
商店の並びゐたりし大通りシャッターおろす五軒が続く        松田 玲子
一週間経ちて幾分ゆったりと動ける妻を見れば安堵す         三輪 武士
諳んじて弾いたショパンのエチュードを録音をしておけばよかった   高橋 瑠璃
得意なこと吾にもあると思ひつつ子の包帯を取り換へてゐる      細矢理恵子
ジェット機の音の聞ゆる青き空二人の物を干し終りたり        伊東 芳子
僅かづつ視力もどりてうれしかり椿一輪我が手のひらに        板橋 節子
午前九時帰りし婿が束の間を休みて食ひて除雪にもどる        倉科 悦男
梟は目を見開きぬ日の落ちてしんしん二月の夜が更くるなり      吉沢 真理
壁に吊る衣類ほのかに温み持つ吹雪の去りて陽は燦々と        倉島智恵子
吾が後を残る子のこと思ひつつ身辺整理をしきりに思ふ        奥東 富子
今日あたり娘の来るやと思ひつつ苺大福求めて帰る          中西 武子
暖冬の話題となりて一月の待合室に診察を待つ            前田つる子
いい匂いと息子が厨に顔を出すシャボン玉みたいな小さな幸せ     丸山 倫江
老猫よ聞いて呉るるかひとりごとAはああ言ふBはかう言ふ      難波 澄子
日除けにと植ゑられしゴーヤの蔓枯れてそのままなりし道の辺の家   福田 美蔭
手の届く所もあるにと思ひつつ背を向け湿布薬はりてもらひぬ     荒木 文子
あつあつの里芋味噌煮に焼酎と舌に溶けゆく試験終へし夜       田井 恵子
積む雪は昼より白し十五夜の月の光の下に輝く            水谷 節子
風呂場より折々妻の湯を使ふ音の聞こゆる夜の庭に居り        髙橋  博
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