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2016.10.15 10月号の歌
セイタカアワダチソウざくろ10月です。急に朝晩冷えるようになりました。大阪は雨や曇りの日が多く秋らしい感じに乏しいと思っていましたが、今日は爽やかな青空が広がり気持ちがいいです。
仕事が忙しく何か追われるような感じでしたが今日は久々に休みらしい感じです。朝から掃除洗濯、手紙の整理。夜は友人と飲みに行きます。これも久々のこと。でも明日は歌会があるのにその準備はまだ…。まずいです。でかけるまでに歌が作れるのか心配、特別歌会の写真も未整理。来月までにいくつか書かなければいけない原稿もありました。まずいです。なんだ、やはり時間がないのに変わりはない。久しぶりにのんびりしているのは気持ちだけのことでした。今日切羽詰まっていないだけで、結局今日のんびりするとまたいつものように明日から切羽詰まるわけで…。はは…。

「青南」10月号(第十九巻第10号)掲載
歌詠みが歌詠むさまを歌に詠む何とも不様と思ひながらに       清水 房雄
温度感ヘルパーとわが異なれば窓あけ放つ部屋に飯食ふ        伊藤 安治
かたまりて紫色の濃きすみれ引返しきてまた吾は見き         逸見喜久雄
骨壺は小さきがよしと淡々と詠み給ひけりすこやかの日に       今福 和子
二人の子老いゆくときを見るまでに長き命は思はざりけり       鈴木 登代
たかぶりし心をさまる時にわれこの国にゐて朝のパン食ふ       堀江 厚一
平仮名の呼びかけで始まる君の作「ねえおかあさん」「ねえおとうさん」 豊田 純子
安まりはまだ日のささぬ朝の庭引きゐる草にものを言ひつつ      梅沢 竹子
青菜でも大根でも蒔かうかと思ひつつ雨ふりをれば見てゐるばかり   内田 一枝
療園を出づることなし身にきざむ傷痕ふかきを憚る吾は        山本 吉徳
農地法にて人手に渡りし父祖の田が貸農園なり立札が立つ       松尾 鹿次
わが山の涸滝けふは様変はり三筋に水を落しゐるなり         森永 壽征
自転車に乗りて巨船を見に行かむ「ついて来いよ」と夫も意気ご    今泉  操
神宮の森の外れにあたらしき土を盛りあげ土竜棲むらし        籏野  桂
青山に通ひし頃のあれこれもうろ覚えにて今日乗り換へる       伊藤 和好
呆けたと云はれそのふりをしてをれば何かと我に便利なりけり     副島 浩史
天ざかる富士の遠嶺を見はるかす空しきものはすでに捨て去り     森田  溥
午後の日の暮れゆくひかりしんしんと身に抱きつつ別れ来りぬ     瀧本 慶子
一句二句こぼれたやうな気配して立ち止まり拾ふ吾が内の声      竹内 敬子
夏服の左ポケットにガムひとつ一年前のことは茫々          監物 昌美
庇より入る月光のもとに寝るメモ幾度か取りて眺めて         伊藤登久子
起きても一人寝ねても一人ただ一人一人といふはきびしき       海野 美里
蒸し暑き畑に夕べの風立ちてキビタキ澄みし声に鳴き出づ       山本 靖彦
このまま覚めず逝けたら幸せとひそかに思へど口には出せず      谷口嘉代子
亡き妻の愛でゐし安寿厨子王像吾の机上に一年を過ぐ         北村  良
元気かと誰かの声がしたやうな雨降る午後の一人の厨         平尾 輝子
独り居のけふも過ぎたり鉢の花に水やる吾の影ながながと       村重 広子
看護師の優しき言葉今日も聞く心に留めて夕べ臥しをり        福島 五月
過ぎたるか苦しきことの多かりき林芙美子の一節のごと        佐々木京子
夕茜舳さきに浴びて夫と立つけふは浅内の沖合にして         佐藤 昭子
ゴンドラのともし火見ゆる安達太良山闇の深まる空の果たてに     佐藤テル子
わが身には派手になりたるペンダント雨に籠れるひと日の胸に     鈴木八重子
十八の娘は原発再稼働反対唱ふる候補者選ぶ             出口 祐子
おとうさん頑張りすぎはだめですよ草刈る吾に妻は言ひたり      豊田房太郎
人として実りゐるのか生を享け八十年目に入りて悩めり        堀江 周子
これしきの坂に自転車下りて押す紫の花イヌフグリ咲く        古島 重明
家族の会話の中に入らむと補聴器付けて食卓につく          横田 時平
今日よりは独りの生活ひたすらに本を読みまた旅に出でむか      奥東 時子
玄関に今夜も家族三人の靴の揃ひて無事なるひと日          谷生美砂子
六十五年の歳月長くも短しと夫と語りて結婚記念日          伊吹 泰子
熱い熱い茹卵口に頬張りて何か幸せな心地するなり          小野 京子
うぐひす雉鳩の鳴く峠道若葉となりて風快し             関口 貞夫
猫と我老を慰めゐる部屋に今宵の客は一ミリの虫           堀田三重子
夜となり膝に巻きたる装具はずす手に取り見ればずしりと重し     丸山 倫江
雨の日の続くを喜ぶ我がゐる今年初めて稲の世話して         板谷英一郎
雨足の激しくなりてゆく中へ水番われは合羽着て出る         江木 正明
根を張りし稗がごっそり抜けし時気持ち良かりし稲田の中に      村上 良三
痛むなく眠れし今朝は心地よし庭に出づればカサブランカ咲く     鹿庭れい子
退職を自ら祝ひ文具店に求めし青き万年筆              釜野 清信
キッチンの吾の居場所に風通り清しき朝に梅雨の明けたり       西風 諒子
雨に烟る雑木林のひとところ黄の明かりして熟るる枇杷の実      十河 滋子
朝より大空晴れて良い天気東京の孫尋ねて来たり           吉田 寿美
孫と子を今朝も窓辺に見送りて朝餉の卓に妻と座りぬ         永山 健二
モップ押す廊下の先の小窓より凌霄花の明るき花が          宿利はるえ
ともかくも今年の剪定終りたり年どし枝に届かずなりて        河野 政雄
今いのちあるさへ不思議を思ふのに近頃食ふ物なべてが美味し     横山 昭夫
住む人の絶えて破れし戸障子を包みて庭の若葉が繁る        佐々木知津子
「朝早く目が覚めてしまふ」涙して笑ひ合ひて寂しく帰る       渡辺  涓
林の向う新しき家立ち並び思はぬ方に街の広がる           小濱 靖子
膝かばひわが住むめぐり日々歩む坂の多きに気づくこの頃       石田 孝子
誰来るといふこともなき玄関に庭の紫陽花ゆたかに活けぬ       小湊宜誌子
草刈りし畔を境にしらじらとそばの花咲く集落を過ぐ         丹治 廣子
川の上光をふふむ雲ひとつ山の雨降る午後となりたり         金子 侑司
疲れると心の平らを崩される介護九年目正念場に入る         神田 俊三
鉢植ゑのままに卯の花根づきしを日照りつづきにやや萎れたり     三輪 武士
亡き母の歳より八年永く生きまだまだ生きて居られさうなり      山﨑 久子
わが庭の茄子と胡瓜をかすめつつアオスヂ揚羽は青煌めかせ      伊藤 章子
何かより遠ざかる思ひ何かには近づく思ひありて誕辰         高橋 瑠璃
通知票にいつも書かれし言葉あり「努力が足りない」今も変わらず   田中 貴子
米寿ふたりベッドに並び語り合ふ外面はすでに梅雨しとどにて     夏苅 敏江
目の疲れに効くと言ふブルーベリー器に盛りて子の帰り待つ      花田 順子
紫陽花の白きが好きと手で包み感触楽しむ盲の友は          細矢理恵子
焦りつつゴリラの着ぐるみ仕上げゆく最後に目をつけ夜の明けてゆく  井深 雅美
ここからが中尊寺かと月見坂地蔵の帽子赤き前だれ          伊東 芳子
ゑのころぐさゆらゆら揺れてまだ小さき蟷螂鎌を振りあげゐたり    小久保基子
校庭の木々に児童らの名札つけ「一年間わたしがお世話をします」   高橋 繁子
我に合ふ髪型になりここちよくつばめ飛び交ふ街を歩みぬ       板橋 節子
筆圧の弱まりてこしわが文字のなぞりてありぬ健診票に        髙橋あや子
新築の家建ち上る前にして若き父親胸をそらしぬ           成田久美子
薬包紙が正方形でありし頃毎日鶴を折りてゐたり           藤  繁子
先代の家の名残の石鉢に水を満たしてめだかを放つ          倉科 悦男
裏山に桜の咲くを一人見る桜が咲いたと一人呟く           吉沢 真理
職業欄の主婦に丸してひと呼吸何でも無かったことに疲るる      西谷 時子
はじめて見るオリーブの実の四粒が葉陰に見えて心たのしき     佐々木美智子
ひとつ屋根に息子夫婦と夫とわれ暮らして二年静かなる日々      鈴木 晃子
新幹線の静岡駅は二方向北に南に街は開けぬ             苫米地和江
「兄さんも亡くなりましたよ」写し絵の妻に早速告げてをりたり    桐山 五一
差し当りほしい物など今はなし「どうしてないの」と曾孫七歳     前田つる子
何処よりか姉とふたりの帰り道ほのぼのとして夢より覚めぬ      石橋 光子

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