上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2016.11.13 11月号の歌
幸村像抜け穴11月です。寒くなってきました。今日はやっと扇風機を片付けて、ホットカーペットを出しました。なかなかの季節替わりです…。
昨日友人と真田丸跡地を少し歩きました。なんとその夜ブラタモリでタモリが同じところを歩いていました。見てから行きたかったなあ、と思いましたが…。幸村像のあるところはずいぶんの人が見学していました。ほかにもいくつか足跡があるのですが、観光地になっては困る神社などはひっそりとして見学者を拒んでいる、あるいは何の説明書きもなくここで合ってるのか?というところもあります。住宅街で小さくひっそりとある場と、駅前の幸村押し店の多さにギャップを感じ大変面白かったです。

「青南」11月号(第十九巻第11号)掲載
◆作品1(自選歌)より
何の事かと思ひて聞きて居たりけり暑き一日を心彷徨(さまよ)ひ  清水 房雄
気がかりな野牡丹の様子聞きたるに立ってゐるよと素っ気なく言ふ 故 清水 香
酸素カート押し来て息を継ぎゐるを見てゐし女杖ひきて去る     伊藤 安治
夕暮の雑木の山にとびぬけて高き一本の杉の交れり         逸見喜久雄
丸屋根の回教の塔青き葡萄明日をも知らぬ老のあくがれ       今福 和子
死に時と思ひし幾度かありたれど生きて面倒かけてをります     堀江 厚一
ただ一つ取り残したる柚子の実を夏至の湯船に浮かべてみたり    豊田 純子
若き夫婦或は日傘の人ら行きラベンダーの花にしづかなる風     佐々木良一
人も来ず電話もかからぬこの日暮れ立つ面影の常に若しも      高木  正
キャンデーの包み紙のばし鶴を折るただ黙々と夫は鶴折る      佐藤 東子
若者はさらに励むと夢を追ふ成るも成らずも夢は自在に     故 今泉  操
気後れとためらひの中に漂ひて可哀想なる私の本音         戸田 紀子
唐黍の雄花に風の吹き通りいのちの花粉とめどなく降る       根本  正
つんつんと捩花芝生に日毎伸び刈らるるまでの幸せにゐる      牧野  房
穂は長く垂れ初めにつつまだ青き峡田にほへり暑き八月       尾形 冴子
背の痛みそこではないと言ひ出せずやみくもなりし夫の手のまま   長田 光江
今朝もまた仲良し雀か見上げたる子供のやうな夫の呟き       瀧本 慶子
樟の木陰の地面に腹をあて涼みてをりぬ八月の鳩          竹内 敬子
電池替へ動き始めし古時計郭公の声にて時告ぐるなり        長弘 文子
子と我の暮しを隔つ半間の廊下の向うにカレーが匂ふ        松家 満子
大き冬瓜もらひ来にけりやうやくにわが為に煮る日々となりたり   伊藤登久子
亡き夫の選びてくれし帽子なり折々に出し眺めてはしまふ      海野 美里
平成の二十八年暑き夏伊方原発再稼働する             山本 靖彦


◆作品2(6名の選者による選歌欄)より
ふる里の海ま青なり砂浜を病む脚の夫少しづつゆく         羽仁 和子
口籠る言葉聞き分け相槌を打てば和らぐ夫の表情          水谷 節子
嬉しくていとうれしくて眠られずかくまで喜び乏しかりしか     十河 滋子
たはやすく農は変らず田草取り妻と競ひて雨中につづく       髙橋  博
緑濃きいちゐの庭をそぞろゆく肺炎はしばらく静まりてゐる     横山 昭夫
神棚の榊の水を替へしとき霧はれあがり朝日さしきぬ        金沢 宏光
クーラーの効き過ぎてゐる理科室に熱き緑茶を両手に包む      出口 祐子
やける足を畳の上に投げ出してああ気持ちよしこれで眠れる     豊田房太郎
若きらに付いていけざる我にして青田そよぐを見放けて憩ふ     小久保基子
手の指を広げたやうに稲株の脹らみてゐる朝の静まり        前田つる子
湿原の木道を行きてヤブサメの地鳴き淋しくわれは聞きたり     中津留初枝
土分けて黒豆の芽の出でて来ぬ天辺に黒き殻を脱ぎつつ       紙谷 孝代
白桃は匂ひはなちて豊かなり小暗き部屋の箱のなかから       平尾 輝子


◆作品3(6名の選者による選歌欄)より
八月一日農道を行く両の田の稲は早くも穂を出してゐる       井上 保代
この夏の宿題せむと来し児等ははや鉛筆を動かしてをり       江木 正明
水張田は夕焼け映しオレンジの海となりけりハンドル軽し      寺谷 和子
妹の供へてくれしけいとうは暑き日射しにしをれゆきたり      福田 美蔭
放たれし平和の鳩か剝き出しの原爆ドームに一羽がとまる      今川 茂子
定刻より早く始まる診療の医師も患者も皆老いたりき        山本名嘉子
枯れながらやうやく生りし小さき胡瓜昼餉に生でさくさくと食む   如月 生子
暑さにも慣れねばならぬと自転車を漕ぎゆく道にかげろふの立つ   五島 幸子
たっぷりと出張前に水を張る五日不在のわれの稲田に        原岡 大騎
この年の玉葱不作といふニュース我が玉葱もつぎつぎ腐る      丹  亮子
老いの日々願ふことは少なきになほ七夕に思ひを託す        西川  操
廂まで凌霄花の上り咲く老人ホームに行きし友の家         藤原 亘子
汗垂るる身体に通る川の風暫し休みて草刈り続く          松下 恭子
勤しめばいそしむほどに指曲がり農に励みし手を摩りみる      向井よし子
ミンミンの頻りに鳴ける海岸(うみぎし)に我も泣きたし暑き真昼を 岡村 敏子
四十三年無事故運転つづけきて新しき免許証また手にしたり     荒木 英市
我々の未来のために新車買ふ少し小型のハイブリッドを       堤  恒平
言ひ訳の如く庭に少し汗かきて今日のひと日も終りゆくなり     河野 政雄
広田湾遮るものの無くなりて静かなる海を見つつ散歩す       金  幸枝
仮設出で新居に越せば度々に訪ね来る人楽しかりけり        佐々木京子
かさあげの遠く彼方にのぼる月復興の街蒼く照らしぬ        佐々木美津子
ネコ車に山盛り三台雑草を引けば庭畑さっぱりとする        根田 幸悦
黒揚羽螺旋描いて上りゆく静かなる愛夏真盛り           吉田 カツ
土手を越え登校急ぐ子らの声移転せし地を探検しゆく        吉田 京子
如何にしてこの口惜しさを追ひ遣らむ陸橋の下ぐんぐん歩く     渡辺  涓
かの時に囁かれし熔融は五年後の報道もうやむやとなる       佐藤テル子
除染終へ安堵せし朝雨降りて雨どひのごみの線量高し        菅生 綾子
返納を思ひ直してもう一期運転免許の更新決めぬ          二階堂易子
台風の去りて静かな朝なり思はぬ所に雨もりの跡          星 津矢子
道添ひに立つメタセコイヤの懐かしく最後の職場の傍通り来ぬ    大墳 淑子
傘さして石のめぐりの草を引く一人になりたい梅雨のひととき    富田 陽子
故郷をかなしみ友らの歌ふなり被災の前の陸前高田を        三輪 武士
さびしかろうと娘がくれた白いインコ鳥かごの中に涼し気に居る   和泉 南雄
わが生れし家無く更地広々と車窓に見つつデイケアに行く      久保  芳
点滴を受けつつ眠るひいばばに幼きものは少しづつ寄る       高橋 瑠璃
老犬と老飼ひ主ととぼとぼと今日の散歩は田んぼ八枚        陳  寒佳
若きより使ひ続けし手の指は節々太く少し曲りぬ          井深 雅美
卵割る手を止め慌てて黙禱す彼の日と同じ青天の朝         北見 法子
叱られし記憶もあらず麦藁帽かぶりて母は草むしりゐき       古島 重明
白き腹見せて動かぬ蝉ひとつそのままにおく待つもののため     髙橋あや子
若木なる柿に小さき青き実はつやつやとして光を掴む        横井 勝子
自家野菜八種ささやかに植ゑつけてひたすら梅雨の雨の日を待つ   倉科 悦男
運転席リクライニングして一人見る雨の中なる今年の花火      西谷 時子
夫が居て息子夫婦も居てくれてわれは幸せ眠らむとする       鈴木 晃子
よく歩きよく耕しし午前中午後はしづかに机に向かふ        桐山 五一
妻吾がもうくる頃と車椅子の夫が此方へ向ってきてゐる       田中 芳子
わが家に人訪ね来るはまれにして夫の遺影のほこりを払ふ      谷口嘉代子
戦争の回想録を積み上げて籠り読みゐし晩年の父          畑 佐知子
補聴器の耳に届けりこのあした遠く鳴き出すくま蝉ひとつ      堀田三重子
旅に発つ朝さりげなく米櫃に米移し入れ子は出てゆけり       丸山 倫江
Secret

TrackBackURL
→http://utakoya.blog47.fc2.com/tb.php/332-88f033f0
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。